日本最東端の四年制大学である
  
  北海道教育大学釧路校の特色

 

              副学長(釧路校担当)
                玉井 康之

                   地域学校教育専攻 教授

 

 【日出ずる国くしろから】

 北海道教育大学釧路校は、日本最東端にある4年制の教員養成大学で、日本で最初に朝日が昇る大学です。そのため私たちは、“日出ずる国くしろ” から日本の教員養成をみつめ、そして釧路から光を発したいと考えています。 北海道教育大学釧路校の学生の出身地は、北海道の道東・道内はもとより、日本全国から学生が入学して来ています。そしてそのまま北海道に留まって北海道の教員になる人も多くいる一方で、全国の都府県の教員として、赴任していく人も多くいます。まさに全国の中にある教員養成大学と言えます。

  【小学校を中心とした多様な校種の教員養成】

 校種は、大部分が小学校教員養成課程を中心としているので小学校教員になる学生が多いですが、中には中学校教員・特別支援学校教員・高校教員になっていく学生もいます。近年は、小学校と中学校との連続性、学級の中にいる多様な子どもに対する多様な支援の必要性が求められているので、小学校教員免許を主免許としながら中学校免許・特別支援教育の免許を、併せて取得する人が多くなっています。
 学校教育のあり方も大きく変化していますが、通常学級の中に特別支援を要する子どもたちが一緒に在籍する学校教育制度が展開し、通常学級の中で、配慮や特別な支援活動を行う指導方法も求められています。すなわち、一斉指導と個別指導、子どもの個性と力量に応じた指導の区別をしながら、同時併行的に多様な指導方法を学級内で進めていくことが求められています。そのため、通常学級における特別支援のあり方も、重視した教育プログラムを組んでいます。

 【アクティブラーニングと理論と実践の往還型学修】

 釧路校では、1年次から毎週金曜日に学校現場に出て学校教育の実践的な内容を学修していますが、これは近年の高等教育のアクティブラーニングの考え方に依拠するものです。アクティブラーニングとは、社会的な素養と知見の育成を前提にしながら、課題解決に向けて総合的・実践的に考えていくという学修方法です。一般的に言って、知識がないと解決方法は分かりませんが、一方で知識を持っていても、実際にやってみないと分からないこともたくさんあります。このため、大学で理論的な学修や知識の獲得を進めていきますが、同時に学校現場や地域の中で様々な現実の問題を総合的・実践的に観察したり、さらに実際にやってみて、具体的・実践的にとらえていきます。私たちは、これを“理論と実践の往還”と読んでいます。

 【1年次から現場に出る初年次教育の学修】

 1年次から学校現場に出て行く理由は、現実の問題解決力や実践力は、極めて時間を要する学修であり、見たこと知ったことを総合的に関連付けながら、長い時間をかけていく必要があるためです。また1年次から学校現場等を見ることで大学の中での理論的な内容が、よりイメージしやすくなるためです。早い段階から学校現場や地域の現実を知ることは、実は理論的な学修も多様な認識と論理を深めていく条件となります。
 釧路校は、このように釧路市・釧路町・白糠町の市町村教育委員会・学校と提携して、1年次から毎週出て行く取り組みをしています。全国的にも実践的な活動を取り入れようとしていますが、釧路校は最も早くからそのような実践的な学修活動を体系的に取り入れています。

 【地域の自然環境を活かした教育活動】

 また釧路校の立地する道東は、自然が豊かで背後に国立公園が三つひかえています。釧路校では、そのような自然を活かした環境教育や野外教育の取り組みも多く取り入れています。これは、学校教育でも自然を取り入れた地域の教育活動が、子どもたちの人間関係づくりや心を大らかにする教育効果を持つためです。自然を活かして、様々な体験的な活動やボランティア活動を進めていくことが子どもたちに求められていますが、その地域の素材・人材をコーディネートしていく力も、これからの教師に必要な力と言えます。この力が子どもたちに合った教育活動を作る教師の力にもなっていきます。

 【へき地小規模校教育から学ぶ教育】

 さらに釧路校の立地する道東は、釧路市内をのぞくと、ほとんどがへき地小規模校に指定されている学校です。このような小規模校では、子どもと先生の関係も密接で、子に応じた教育活動ができることに加えて、グループワークや体験的な活動・発表活動などを行いやすく、今日本全体の学校教育で求められている課題を、先進的に行える環境があるとも言えます。少人数であるため、競争心がなくなり社会性が乏しくなるのではないかという意見もありますが、一方で、一人ひとりの議論や発表できる回数も多くなり、企画・体験・まとめなど、総合的な判断力・行動力を養える指導方法も開発されています。このように小規模であるからこそ、へき地にあるからこそできる活動を積極面としてとらえていくことが求められています。


 【地域素材を活かしたカリキュラム】

 釧路校は、日本最東端で、自然環境・小規模校環境・地域文化・農漁業の特性などを活かして、地域素材を活用したカリキュラムを開発しています。北海道は、元々歴史が浅いのですが、逆に新しい文化や生活様式を取り入れて発展してきました。それらを含めて子どもの目線と認識に合った地域カリキュラム・地域素材を開発する必要があります。今後も釧路校では、学校現場と連携して地域教材や地域カリキュラムなどを開発していきます。

 【釧路校ならではの教育活動を】

 へき地性・小規模性・自然環境・初年次から学校現場に出るアクティブラーニング・理論と実践の往還プログラム・へき地教育実習・インテグレートされた特別支援教育、など釧路校ならではの教育活動の特色がたくさんあります。これらは釧路校の教育活動の特色です。ぜひ皆さんも釧路に来て、釧路校の特色を活かした教育活動を創るために、一緒に活動して頂けることを期待しています。